来院時にお願いしたいこと
来院前にチェック!
来院される前に、お子様の様子について、
以下の情報をメモか何かにまとめておいていただければ、診察がスムーズに進みます。
できる範囲でかまいませんので、ご協力をよろしくお願いいたします。
- 現在の症状
- いつ頃から症状が現れたか
- 熱、せき、たん、鼻みず、のどの痛みの有無と、その状態
- おしっこやうんちの状態(気になることがあれば、携帯電話やスマートフォンで撮影してお持ちください)
- 食欲の有無とその程度
- 水分摂取の有無とその程度
- 症状の原因として思いあたること
- 薬に対するアレルギーの有無
- 現在、服用している薬(お薬手帳)
- これまでに経験した大きな病気や手術
- 入院の有無 など
お子様の具合がひどく悪い場合
診察は、受付を終えられた方から順番にお呼びしております。
しかし、お子様に以下のようなひどい症状がみられる場合は、優先的に診察することもございます。
多少順番が前後する可能性もありますので、ご了承ください。
- 何度も嘔吐を繰り返して、ぐったりしている
- ひきつけ(痙攣)を起こしている、またはその直後である
- 激しい頭痛や腹痛がある
- 喘息の発作などにより、呼吸が苦しそうである
- ウトウトして目の動きがおかしく、ぐったりしている
- 周囲の刺激に反応しない など
子どものかかりやすい病気
子どもがかかりやすい病気について説明します。
急性上気道炎(かぜ)
どんな病気?
上気道(鼻からのど、気管の入り口にかけての空気の通り道)にウイルスなどの病原体が感染し、炎症を起こしている状態です。
主な症状
発熱、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、のどの痛み、せき、たん、頭痛などが主な症状ですが、吐き気・嘔吐、下痢、腹痛などの胃腸の症状を伴うこともあります。
乳幼児の場合、発熱すると高熱(38〜40℃)になることが多く、症状も強く出やすいため、注意が必要です。
対処法
安静にして、水分補給や栄養補給をしっかり行いましょう(乳幼児は脱水に注意)。ほとんどの場合は自然に治癒します。
気管支炎
どんな病気?
主にウイルスが気道に入り込み、気管支の粘膜に炎症を起こす病気です。
主な症状
激しいせき、たん、発熱などが出ます。
対処法
特別な治療法はなく、鎮咳薬、去痰薬、消炎薬、気管支拡張薬などを処方する「対症療法」が中心です。
細菌に感染している場合は、抗菌薬を処方します。あとは自宅で安静にすれば、自然に治る場合がほとんどです。
嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)
どんな病気?
ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスが体内に入り込み、嘔吐や下痢などの胃腸の症状を引き起こす病気です。
熱が出ないことも多く、出たとしても38℃前後までと、あまり高熱にはなりません。
主な症状
吐き気や嘔吐、水様性の下痢といった症状が見られます。
ロタウイルスに感染した場合は、便の色が白っぽい色になることがあります。いずれの症状も比較的短い期間でおさまります。
対処法
脱水症状を起こさないよう、経口補水液などでこまめに水分補給をしましょう。
症状がひどい場合は、吐き気止めや整腸剤、下痢止めなどを処方することもありますが、ウイルスが排出されて、症状が自然に治まるのを待つのが基本です。
尿路感染症
どんな病気?
細菌が、おしっこの出口(尿道口)から膀胱に入り込んで起きる炎症のことです。
膀胱の中に細菌がとどまっているものを「膀胱炎」と呼び、膀胱から腎臓まで侵入したものを「腎盂腎炎」と呼びます。
尿中の細菌の有無を確認して、診断を行います。
主な症状
38.5℃以上の発熱のほか、年齢によっては、「おしっこのときに痛がる」「尿に血が混じる」「トイレが近い」などの症状が現れます。
対処法
発熱を伴わない膀胱炎の場合は、抗菌薬を服用すれば、3日間ほどでほとんど治ります。
高熱を伴って「腎盂腎炎」が疑われる場合は、2週間ほど抗菌薬の投与が必要です。
乳児湿疹
どんな病気?
新生児期~乳児期にかけて、皮脂腺の多い頭や額、耳の周りなどにできる湿疹のことです。
詳しい原因はわかっていませんが、皮脂による刺激や、皮脂を分泌する皮脂腺にいる「真菌(カビ)」が関与しているのではないか、と考えられています。
主な症状
黄色いフケが出たり、カサカサした紅斑ができたりと、症状の出方は赤ちゃんによって異なります。
症状は新生児期から始まりますが、6ヶ月頃には次第に消えていきます。
対処法
毎日お風呂に入れ、汗や皮脂汚れをしっかり落としてあげることが大切です。
ゴシゴシ洗うのではなく、ベビー用のせっけんをしっかり泡立てて、泡で包み込むようにして洗うのがポイントです。
汗疹(あせも)
どんな病気?
たくさん汗をかいた後に、首や背中、お尻などのむれやすいところにできる、小さな水ぶくれや湿疹のことです。
子どもに発症しやすいことが特徴ですが、高熱を出したときや、高温の環境で作業をしたときなど、大人にもみられることがあります。
主な症状
かゆみや痛みを伴って赤いぶつぶつができるタイプと、白っぽい水ぶくれができるタイプの2つに分かれます。
対処法
症状に応じて、ステロイド外用薬や抗菌薬などを処方します。
再発を繰り返さないために、「通気性の良い服を着用する」「汗をかいた後、シャワーで流すかこまめに拭き取る」などを心がけることが大切です。
伝染性膿痂疹(とびひ)
どんな病気?
虫刺され、あせも、湿疹などに、黄色ブドウ球菌や溶連菌が入り込んで起きる皮膚疾患のことです。
かゆいところをかきこわした手を介して、水ぶくれがあちこちに広がってしまうことを「火事の火の粉」にたとえて、「とびひ」と呼ばれています。
主な症状
水ぶくれが生じるタイプと、かさぶたができるタイプの2種類があります。
対処法
主に抗菌薬を使って細菌を退治します。
また、必要に応じて、抗ヒスタミン薬や亜鉛華軟膏なども用い、かゆみや炎症をおさえます。ひどくならないうちに治療を始めると、より効果的です。
便秘
どんな病気?
便を長時間出さないでいると、水分が吸収されて固くなり、排便時に強い痛みを伴うようになります。
旅行や引っ越しなどで環境が変わったり、トイレに行きづらいと感じたりすると、排便を我慢するようになってしまいます。こうした状態が長く継続すると、腸が便のたまりに慣れてしまって、非常に治りづらくなるのです。
主な症状
排便回数の減少、排便時の不快感、残便感、お腹の張り、腹痛などが現れます。
対処法
コロコロまたはベタベタした便が少しだけ出る、また5日間以上も便が出ないような場合は、浣腸や飲み薬などで、腸にたまった便を出します。
それでも出ない場合は、腸を洗ったり(洗腸)、指で便をかき出す(摘便)こともあります。
夜尿症(おねしょ)
どんな病気?
小学校に入る頃になっても、寝ている間に排尿してしまうことを「夜尿症(おねしょ)」と言います。
「夜寝ている間のおしっこの量が普通より多すぎる」、もしくは「膀胱にためられるおしっこの量が普通より少なすぎる」ことが原因とされていますが、その両方の場合もあります。
対処法
夜寝ている間のおしっこの量を減らすには、抗利尿ホルモンが有効です。
また、夜間の膀胱容量を増やすには、夜尿アラーム(おねしょを知らせるブザー)、抗コリン剤などが有効です。
子どもの肥満
どんな病気?
食生活の欧米化や生活の夜型化の影響から、子どもの肥満が増えています。
子どもの頃から肥満になってしまうと、大人になっても肥満体型になったり、糖尿病や動脈硬化のリスクが高くなったりします。
対処法
子どもの肥満は、できるだけ早期に治療を開始することが必要です。
また、「和食中心の食事に切り替える」「よく歩く、運動する」など、家族で協力して生活改善を図ることも大切です。
子どもの貧血
どんな病気?
貧血の中でも、鉄分不足が原因となる「鉄欠乏性貧血」が多くみられます。
鉄欠乏性貧血はゆっくりと進行するので、明らかな症状がないまま進行してしまうケースが少なくありません。子どもの場合は自分から不調を訴えることは少ないので、保護者の方がお子様の様子をよく観察してあげましょう。
主な症状
顔色が悪い、食欲がない、元気がない、疲れやすい、爪の異常、唇の色が薄いなど。
対処法
鉄剤(シロップ、顆粒、錠剤など)を内服します。ただし、薬に頼るだけでなく、家庭での食生活の改善(食事療法)もあわせて取り入れることが大切です。